ライブをする上で、セットリストは大事です。みなさんは普段どんなセットリストでライブしていますか?ファンはもちろんあなたを知らない人にも楽しんでもらえるライブにするために、さまざまな工夫をしていきましょう。
こんにちは、管理人のちん兄です。
今回は、ライブのセットリスト(以下セトリと略します)について考えていきます。
曲順、MCの入れどころ、タイムスケジュール、対バン形式かワンマンライブなのか。考えるべき点は山ほどありますよね。
実は、「セトリをちょっと工夫するだけでライブに来たお客さんの満足度が大きく変わる」って知ってましたか?
セトリというと曲順のことばかりに頭がいきがちですが、「曲順以外にも意識すべきポイントがある」ことを知ってますか?
ここでは、どういった工夫が効果的なのか、そのヒントをお話ししていきます。
これを読んで、ぜひ日頃のライブをあなた自身・お客さん双方にとって、より良いものを目指していきましょう。
まずは状況を整理
さて、セトリを考えていく上でまず考えなければならないのが、置かれている状況の整理です。
例えば、そのライブの持ち時間。準備や撤収といった転換時間と、演奏できる時間。
例えば、そのライブは対バン形式(いくつかのバンドが出演するイベント)なのか、ワンマンライブ(自分たちのみが演奏するライブ)なのか。
例えば、企画イベントの場合そのイベントのコンセプトは何か。(イベントによってカラーがあったりしますし、もしタイムテーブルが出ていれば前後のバンドの雰囲気に少し寄せた方が別バンド目当てのお客さんの食いつきが良くなるという傾向もあります。)
などなど、一度状況を把握・整理しておきましょう。
バンドのイメージ・世界観を共有する
次に、バンドのイメージ・世界観を考えましょう。
僕の見ている限り、これをおろそかにしているバンドが本当に多いです。
イメージ・世界観の共有というのは、バンドメンバー同士の話だけでなく、お客さんとも共有できるかがカギとなります。
詳しいポイントをお話ししていきます。
メンバー同士で話し合う
まずはメンバー同士。自分たちのバンドコンセプトは何か。強みは何か。曲はどういったジャンルなのか。よく話し合ってみてください。
できれば深く考えるべき点ではありますが、どうしても何も思い浮かばないのなら少し簡単に考えてみてください。「楽しそうに演奏している、気取らず笑顔が魅力のロックバンド」とかでもいいんです。
極端な話、「ポップスでオシャレな曲調や歌詞が売りなバンド」で、ギターが一人だけ派手に動き回っていたら違和感でしょう。世界観ぶち壊しです。お客さんは曲や歌詞に集中なんかできません。
自分たちのイメージ・世界観がきちんと統制できていない人たちが、お客さんを楽しませることができるわけありません。そのライブでファンを作るなんてもってのほかです。
メンバー内でよく話し合い、バンドとしてのイメージがある程度固まったら、次にお客さん目線で考えていきます。
バンドのイメージを固める、すなわちバンドのコンセプト決めはバンド活動において何よりも重要なことだと考えています。詳しくは【断言】バンドはコンセプト作りが命!最重要だと断言する3つの理由をお読みください。
お客さんの立場になり、イメージの共有ができるか
今度はお客さんの立場になって考えていきましょう。
自分たちのバンドとしてのイメージが固まったとして、それをお客さんに届けるために何ができるかを考えていきましょう。
MCはどういった話題にするべきか、持ち曲からどの曲を演奏するか、服装やパフォーマンスをどのようにするか。これらを話し合い、決めていきます。
さらに詳しくご説明していきます。
服装をイメージに合わせる
ライブ衣装は、一番最初にお客さんがバンドの雰囲気を感じるポイントです。決しておろそかにしてはいけないですよ。
ライブというものは、聞くだけじゃなく見るものでもあります。演奏だけでなく、見た目やパフォーマンスも込みでひとつのライブになっているんです。
「演奏を聴いてくれよ!」とプレーヤー的には思いますよね。しかし視覚から入る情報というのはバカにできないんです。一部の論文では、人が外界から得る情報量のおよそ80%を視覚が担っている、聴覚と比べると600倍に近い数字、と言われているほどです。
それをふまえると、第一印象になり得るライブ衣装を考えないわけにはいきません。
バンドのイメージに合った服装を心がけましょう。色や系統を揃え、まとまりがあった方が好ましいです。
間違っても、「ポロシャツの爽やか系」「B系を匂わせるダボダボの服」「タンクトップ野郎」「ジャケット羽織ったキレイ目の人」の4人組!なんてことになってはいけません。イメージ・世界観に沿った服装を話し合いましょう。
一番目立つであろうボーカルだけ、ちょっと派手さを加える工夫は全然OKですよ。また、バンド内での一人一人の個性を大切にしたい場合は、その個性とバンドイメージとの折衷案で決めましょう。
曲順を決める
次に曲順です。これが本当の意味でのセトリですね。
まず、最も大事なのが最初の曲。この曲でお客さんを自分たちのイメージ・世界観に引き込むつもりで選曲しましょう。最も自分たち「らしい」曲がベターです。
数曲候補が出て決めかねてしまった場合は、最もストレートな曲にしておくことをオススメします。よりお客さんに届くと思える曲が良いですよ。
最初の曲が決まったら、次に最後の曲を決めます。
最後の曲は、最も完成度の高い曲か、最も人気のある曲がふさわしいです。
「終わり良ければすべて良し」という言葉の通り、最後の曲がビシッと決まるだけで、お客さんにはライブ全体を通して良い印象として残ります。ですので、最後の曲は自信のある曲で攻めましょう。
最初と最後が決まったら、あとは間の曲を考えていきます。
これはバランスの良さを意識します。バランスとは、持ち時間、イベントのカラー、楽器の音色、他の曲とのテンポ感などです。
僕の見てきた、やってきた限りのオススメは、4,5曲のセトリの場合
・1曲目がアップテンポなら2曲目も同じくらいのアップテンポ、MCなしで2曲続ける
・1曲目がミドル〜バラードくらいのテンポならMCをはさんで2曲目ミドル〜アップテンポ、MCなしで3曲目アップテンポ
これ、非常にライブ感が出る流れです。ちょっとしたテクニックかもしれません。
人間って不思議な固定観念を持っていて、「曲が終わったな」って思うと拍手をするムードになるんですよね。
1曲目アップテンポ→MCなし→2曲目アップテンポ の場合、1曲目終わりの拍手を逆手にとり、2曲目を間髪入れずに始めることで拍手を手拍子に変えやすいんです。ボーカルが手拍子を誘うそぶりを見せるだけで、かなりノッてもらいやすくなりますよ。
1、2曲目で一気に会場を温める考え方のセトリですね。雰囲気が作れるため、演奏する側もやりやすくなるのがメリットです。
一方で、1曲目ミドル〜バラード→MCあり→2曲目ミドル〜アップテンポ の場合、お客さんを1曲目でグッと世界観に引き込むことが狙いです。そこから先述した要領で2、3曲目で徐々に盛り上げていきます。
ただしこちらは難易度は高めで、お客さんのテンションが後半の曲調の盛り上がりついてこれるかが重要なポイントになります。いきなりテンションぶち上げにならないよう、「徐々に徐々に」温めると同時に、「不完全燃焼」感が出ないように配慮が必要です。
ファンが増え、テンションについてきてくれる人たちが多くなってきたら、安心してできるんですけどね。(とはいえライブをファン任せにするのは良くないです!常に初見の人がいることも念頭において臨みましょう)
と、まあちょっとしたテクニック(と言えるのか!?)でした。参考までに。
MCを考える
曲順が決まったら、今度はMCについて考えましょう。
MCに関しては、本当は語りたいことが多いです(笑)。ここでは手短に、セトリの観点で簡単にお話しします。
↓MCについて良く知りたい方、MCを上達させたい方はこちらも合わせてどうぞ↓
ライブMCを上達させるには!?MC苦手な人がうまくなるために押さえるべきポイント6つ
基本的にはしゃべる内容はイメージに沿った方がいいと思います。
ただ、喋った時のギャップが武器の方もいらっしゃいますし、あまり「こうするべきだ!」というのはありません。
理想的なのは、バンドのイメージに沿ったMCを体現する担当、喋ると人を笑わせたり和ませたりできる担当がいるといいです。もちろん、一人でそれができてしまう人物がいればやっちゃいましょう。
ライブパフォーマンスを打ち合わせる
最後に、ライブパフォーマンスについて考えます。
二人で向かい合って演奏する、踊って演奏する、全員ドラムの方に向く、フロントの人間全員でステージ一番前で煽る、いろいろと手法があります。
できればある程度細かく事前に決めておいた方が統一感が出て、観ていて気持ちのいいパフォーマンスになります。本番は恥ずかしがらずにやりましょう!
また、パフォーマンス以外にも照明さん・PAさんへの要望を細かめに考えておくことで、より深く踏み込んだ曲のイメージ共有にも繋がります。ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
・状況の整理
・イメージ、世界観の共有
・服装
・曲順
・MC
・パフォーマンス
この項目でお話ししてまいりました。
僕は、曲順だけでなく、こういったステージング全体を含めてこそのセットリストだと思っています。
しかし、どのポイントにもさまざまな考え方があって、この記事にもおそらく賛否両論あるかとは思います。
無理にこの記事通りに考えていく必要はありません!願わくば、この記事があなたにとって何かしらのヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!