バンドでたくさん練習に入っているのに、全然上達しないなあ・・・。そういったバンドの話をよく耳にします。あなたのバンドはどうですか?もしこのような状況だとしたら、練習法を見直すだけで見違えるほどにレベルアップしますよ。ここでは効率的なスタジオ練習法についてお話しします。
こんにちは。管理人のちん兄です。
以前、知り合いと飲んでいた時のこと。
その知り合いは10代の男性メンバーで組んでいるバンドのギター。当時まだ組んで1年も経ってないくらいです。
お話ししていると、彼がこんなことを言いました。
「結構な回数スタジオで練習しているんですけど、全然演奏が良くならないんですよ」
「個人個人は決して下手じゃないと思うんですけど・・・なんでですかね」
これを聞いて、僕もそんな時期があったなー、なんて懐かしい気持ちになりました(笑)
こういう悩みを抱えているバンドって、かつての自分も含めて本当に多いんですよね。
その知り合いに返した言葉はこうです。
「練習方法をちょっと工夫するだけでめっちゃ変わるよ」
「ただがむしゃらに何度も合わせていても、うまくならないとは言わないけど、やっぱり効率が悪いんだ」
「スタジオ練習はこういうことをするといいよ、それはね・・・」
そしてつい最近、そのバンドが音源リリースの企画ライブをするということで招待をしていただき、遊びに行ってきました。
飲んだあの日から半年ちょっとでしょうか。
それはもう、見違えるほどに演奏がうまくなり、お客さんもたくさん入り、本当に素敵な空間でした。僕は感無量。。
ライブが終わって挨拶に行くと、
「ちん兄さん!あれから自分たちでも驚くくらい上達できましたよ。あの時教えてもらったおかげです!」
もうね、嬉しいのなんの。
前置きが長くなりましたが、今回は知り合いに教えた効率的なスタジオ練習法についてお話ししていきます。
練習の前に・・・スタジオでの注意点
まず、具体的な練習法の紹介の前に、スタジオに入る上で守るべきルールや注意点をお話しさせてください。
挨拶をきちんとする
スタジオには店員さんがいますよね?
ぶっきらぼうな人でもない限り、入店時に「おはようございます」、退店時に「お疲れ様でした」と言われると思います。
これをスルーするのは良くありません。確かにお店ではありますが、スタジオの部屋と機材を貸していただくのですから、きちんと挨拶をするのが人としての最低限のマナー・礼儀です。
また、よく利用するスタジオだと、挨拶に始まりいずれ店員さんと顔なじみになることが多いです。仲良くなるとイベントに誘ってもらえたり、知って得する情報を教えてもらえたり、いいことがたくさんあります。
ですので、挨拶をきちんとして、ゆくゆくは店員さんと仲良くなるくらいの気持ちでいきましょう。
時間を守る
これも非常に大事です。でも悲しいかな、時間を守れない人が多いという事実。
心当たりありませんか?練習の時間に30分とか平気で遅刻してくるやつ。
個人的には何かしらペナルティを与えてもいいんじゃないかとさえ思います(笑)。
仮に10分の遅刻ですら、1〜2曲を合わせる時間が消えます。これが毎回続いたら、年間でスタジオ何回ぶんに相当しますかね?
まあ、できる限り遅刻はやめましょう。
そして、終わりの時間もきちんと守りましょう。ついつい練習に夢中になるのは分かりますが、守らないとスタジオが迷惑します。そして次に予約している人たちにも迷惑です。
原則終了5分前には片付けが終わって、部屋を出られるようにしましょう。
機材の取り扱いには細心の注意を
スタジオの機材を壊してしまってはいけません。借り物なんですから、当たり前ですよね。
乱暴に扱うのは論外です。
飲み物をこぼすのも論外です。飲み物はキャップ付きのものにしましょう。そしてアンプなどの上には絶対置かない。
PA機材やアンプはボリュームが0になっていることを確認してから電源のon/offやケーブルの抜き差しをしましょう。故障の原因になります。
具体的な練習方法
さて、お待たせいたしました。
具体的な練習方法についてお話ししていきます。
その1 音のバランスをきちんと取る
最初に絶対やるべきなのは音のバランス取りです。練習する上で最重要なポイントですよ。
まずとりあえず1曲合わせながら、演奏中にアンプなどのボリュームをいじっていきます。
バランスを取る上でカギとなるのがドラム。次にヴォーカルです。
大概のスタジオはドラム生音で演奏する仕様になっています。つまり、音量を上げたり下げたりが他の楽器に比べ難しいんです。
ですので、考え方としてはドラマーが自然に叩いた時の音量を軸に、他のパートのボリュームが大きいか・小さいかをコントロールしていくんです。
次にヴォーカル(コーラス)。部屋によってハウリングしやすかったり、やたら音量が低かったりということがあります。ひとまずドラムに合わせて、メンバー全員にとって大きすぎず小さすぎない音量にしていきます。
自分があまり聞こえないからといって、やたらと音を大きくする人がいます。それをやると他のメンバーの耳が崩壊します。立ち位置や向きを変えるだけで聞き取りやすくなるので、工夫しましょう。
どうしようもない時もありますが、その時は諦めて次回以降その部屋を使わないようにしましょう(笑)
そして、最後に弦楽器やキーボード等のボリュームを調節していきます。
この時、ドラムとヴォーカルはきちんと聞こえるか、耳を傾けながら調節していきます。
自分の音が聞こえていて、かつ、他も聞こえるバランスにしましょう。
注意点として、自分は聞こえるのに他の人は聞こえない、もしくはその逆が起こることが多々あります。その時はアンプの向きを変えるだけで平和的解決になることがあるのでお試しください。可能ならアンプの高さを変えたりとかも効果あります。
バランスが整ったら、これで練習を始めていきます。
その2 メンバーごとにマイクを立てる
メンバーごとにマイクを立てることで、コミュニケーションが格段に取りやすくなります。
大概ヴォーカルとコーラスのマイクしか立てないバンドが多いですが、思い切って全員のマイクを立ててみましょう。
そうすることで、例えば演奏中に気になった部分があって、それをその場でやり直したいときに、声を出して演奏を止められます。
熟練したバンドであれば話は別ですが、一人演奏をやめたところでみんなが止めてくれないことが多々あります。やめてくれたとしても時間がかかることがあります。
このように、声を出してメンバーとコミュニケーションを取れた方が、何かと便利です。
注意点として、マイクがたくさんになるので、コミュニケーション用のマイクは音量やや小さめにしてハウリングに気をつけましょう。
その3 録音する
可能な限り、演奏を録音することをおすすめします。
家に帰ったあと、客観的に自分たちの演奏を聞いて反省点を見つけるためです。
練習中は気付けなかったものが、録音を聞くといろいろ気付けます。
媒体はレコーダーがあると一番使い勝手がいいですが、スマホでも全然いいと思います。最近のスマホは本当よく録れるんで。
録音したものをメンバー全員で共有し(dropbox,Google Drive,なんでもいいです)、反省点を共通認識にして、個人練習・次回スタジオ練習に向けての課題にします。
日々、録音と練習を繰り返すことで、みるみる上達していきますよ。上手なバンドはみんなやってます。
仮に、ライブ直前でパフォーマンス面も磨いていきたいのなら、ムービーを録画するのもかなり効果的です。
面倒くさがらず、ぜひ録音・録画しましょう!
その4 一曲ごとではなく、ブロックごとに
毎回1曲通して演奏し、なんとなく反省点を言い合って、また通して演奏・・・という練習内容になっているバンドも非常に多いようです。
確かに一曲通して演奏することは大事です。しかし一曲が終わるまで気になった部分を全部覚えておけるでしょうか?
たぶんいくつか忘れてしまいますよね。それに、通し練習ばかりだと何回もやらずに済む部分を何回もやることになってしまいます。ちょっと効率悪いと思いませんか?
苦手な部分だけ集中して特訓、できるようになってきたら1曲通して合わせる。これが最も効率が良いと言えるでしょう。
僕自身やっていた練習法としては、
アタマから演奏を始める→途中で気になったら止める→そのブロックだけを徹底的に特訓→良くなったら前ブロックから演奏を始めて進めていく→次に気になったところでまた止める→ブロック特訓→進めていく…
これを繰り返し、最後まで到達したら1曲通して合わせる。といった感じで練習していました。
演奏を止めるのも疲れるので向き不向きはありますが、徹底的に苦手ポイントを潰していく手段としておすすめです。
その5 2人、3人ずつで演奏する
どうしても、全体で合わせると「なんか音に違和感がある」「リズムが合わない」という部分も出てくると思います。
そういった時は、全員で演奏するのをやめ、ペアで合わせる方法があります。
ギターとドラムで、ベースとギターで、ヴォーカルとキーボードで・・・いろいろな組み合わせで行ってみてください。そして演奏していない人間は演奏をよく聞き、思ったことを伝えます。
これをやることで、しっくりこなかった原因が分かり、改善案が浮かんできます。
僕の場合は新曲を作っている最中によくやりました。
その6 適度に休憩を入れる
ずっと気を張り詰めて練習するのは本当に疲れます。
やはり適度に休憩をして、リフレッシュすることも大切です。
せっかくの練習時間だからみっちり使いたい人もいるでしょう。しかし、そこで新しい案が出たり、その後の集中力が出たり、メリットもあるんです。
ただし、休憩時間が長くなりグダグダになってしまうのは良くないですよ(笑)。
できれば時間を決めて、10〜15分くらいの休憩にしておくのがベストでしょう。
その7 お気に入りの部屋を見つける
ついに最後の項目です。
練習場所を同じスタジオ、可能なら同じ部屋にすることでも効率はグンと高まります。
部屋を同じにするメリットはさまざま。
まず、基本的に大掛かりなメンテナンスなどが入らない限り部屋にある機材は同じです。ですので慣れてしまえば音作り・バランス取りの時間を短縮できるんです。純粋な練習時間が他の部屋よりも増えます。
さらに、PA機材や部屋自体の環境によっては歌が聞こえない・ハウリングするというところがありますが、そうならない部屋を見つけてしまえば、もうその悩みに困ることもありません。
通っていれば店員さんとも親交が深まり、いろんな情報を教えてもらえます。イベントに誘っていただけるケースもありますよ。
パフォーマンス面の練習をしたいときにも、部屋の広さや形が把握できている方がいい。
予約時もスムーズ。
どうでしょう?何も考えずにコロコロと違うスタジオで練習するより、部屋まで決めてしまった方が何かとお得じゃないですか?
予約状況との兼ね合いもあるので、お気に入りの部屋を3つくらい決めておくといいですね。
まとめ
以上、スタジオ練習を効率良くするための方法をご紹介してきました。
まとめるとこんな感じ。
いかがでしたでしょうか?
冒頭で紹介した知り合いは、これらをうまく使ってバンドとして演奏面の急成長を遂げました。
そのバンドに合ったやり方があるとは思いますが、ぜひこれらを参考にしてレベルアップしてください!