こんにちは。ちん兄です。
最近はよく「社会人バンド」というワードを耳にするようになりました。言葉の通り会社で社員として働きながらバンド活動をしている人たちのことです。
アジカンやofficial髭男dismなどがもともと社会人からデビューしたバンドとして有名ですね。たしかゲス極の休日課長もそうだったはず。
しかしこういった「実例」は割と多く見受けられるものの、実際はまだまだアルバイトをしながらバンド活動する方も大勢存在します。
中には、夢を諦めて社会人へ、とか、正社員になるからバンド脱退、というケースも少なくありません。
おそらく「バンド活動をするなら会社員になってはいけない」という無意識なレッテルに縛られているんだと思います。
正直こういう話を聞くと、「もったいないな」と思うのが本音です。
なぜなら、仕事とバンドの両立はそれほど難しくないからです。ましてや最近では副業を推進している企業も増えつつある世の中ですし、以前よりもさらに活動しやすい環境になったとさえ言えます。
かくいう僕自身も、社会人をやりながらバンド活動をし、プロと呼べる範疇まで上りつめることができた人間です。しかも月100時間を平気で残業するブラック企業で。
僕の経験から言ってしまえば、社会人として働きながらバンド活動をすることは普通に可能です。そして、僕は社会人バンドをおすすめしたいとさえ考えています。
僕の経歴が気になった方は、ぜひプロフィールを一読していただけたらと思います。
アルバイトよりも縛りが増えると考える方が多いかもしれませんが、決して悪いことばかりでもないのです。
ここでは、社会人バンドのメリットとデメリットをお伝えするとともに、仕事とバンドの両立は可能だということを実例を踏まえてお話ししていきます。
働き方の種類分けをしてみた
働き方は、大きく分けると4種類に分かれます。
アルバイト、自営業、派遣社員、正社員、この4つです。
まずアルバイトは、予定の入れやすさが魅力。ただし、給料はどうしても社員と比べると落ちます。
バンドマンでもっとも多いのが、このアルバイトでしょう。
次に自営業。自分のスキルやノウハウでお金を稼ぐ人たちです。
稼ぎはそれぞれピンキリですが、なんにせよスキルやノウハウが必要です。ただ、時間的な融通はもっともきくでしょう。
また、派遣社員。これはアルバイトと正社員の中間をとったような形態ですね。
ある程度の時間の融通がきき、アルバイトよりかは稼げる場合が多いです。ただし会社によっては福利厚生やボーナスなど待遇面が全然違います。
そして、正社員。給料としてはもっとも高い額をもらえる形態でしょう。
基本的に休日が会社都合で決まっており、時間的融通がききづらいケースもあります。ただし有給休暇や午後休など、会社によっては取得しやすい場合もあるため全ての会社が時間的に融通がきかないとは言い切れません。
以上4種類の働き方をサラッとご紹介しましたが、僕がもっともおすすめするのは正社員です。ここからは正社員でバンド活動することのメリット・デメリットをお話しします。
社会人バンドのメリット
まず、社会人バンドのメリットをご説明します。
安定した収入とボーナス
真っ先に挙げられるのが、収入が安定しているという点です。
アルバイトとなると、あまりシフトを入れすぎることができずにギリギリの収入で暮らす方も多いかもしれません。定職に就くことで、毎月安定した収入を得られます。
安定した収入があれば、バンド活動をどのように展開していくかの計画も立てやすくなりますし、金銭面からある程度心にゆとりが持てるようになります。日々の練習はもちろん、レコーディングやMV撮影、グッズ作成など、バンド活動にはさまざまな出費がついてまわりますからね。
また、案外見落としがちですが、ボーナスという存在も大きいです。いくらもらえるかは会社によってもかなり異なりますが、アルバイトでは基本的にもらえない会社員ならではの恩恵と言えるでしょう。
僕はボーナスをアンプなどの機材費にして、機材面のパワーアップを図っていました。良い機材が必ずしも必要とは限りませんが、自分のモチベーション維持としては大きかったと考えています。
このように、しっかりした収入があるというだけで、バンド活動に良い影響がいくつもあります。
社会的マナーやビジネス的思考が身につく
また、社会人として仕事をしているうちに、さまざまなマナーやビジネススキルが身につきます。バンドとは直接関係のないことのように感じられるかもしれませんが、意外とそうでもないのです。
たとえばライブハウスとの連絡のやり取り、事務所の勧誘、ファンとのやりとり、などなど礼儀やマナーを持って接する必要がある場面というのはバンド活動でも少なからずあります。
僕の場合、基本的なマナーはもちろん身につきましたし、仕事で音声を扱っていたのでちょっとしたレコーディングスキルや音声編集の能力も得られました。他のメンバーもプログラミングの能力が身につき、サイト作成や運用に役立てていました。
このように、礼儀やマナーに限らずバンドに活かせるスキルが得られる可能性が高いです。もちろん仕事内容にもよりけりですが、何かしらはプラスになる要素があると考えます。
さらに言えば、社会の仕組みの一部を理解することができます。少なくとも自分の仕事関係で、どのようなお客さんがいて、どのようなシステムでお金を稼ぎでいるのか、すなわちビジネスモデルとしての理解が深まるんですね。
これってアルバイトだとあまり意識しない部分のような気がしています。僕はバイト時代は1ミリも考えたことがありませんでした。
バンドマンの多くが音楽活動でうまく収入化できない理由の一つが、このビジネス的視点が持てていないことにあります。どうすれば自分の活動が人にとって価値のある存在となりお金をいただけるのか、これが稼ぐ上で必ず必要な思考なのですが、意識できていないバンドマンが非常に多いです。
こういったビジネス的な思考を持つためにも、社会人として仕事をすることは有効です。
社会人バンドのデメリット
では、逆にデメリットとしては何が挙げられるでしょうか?
これはたった一つ、時間的な縛りが生まれることだと思います。
バンド活動ではメンバーの予定を合わせ活動することになります。そのためできるだけメンバー同士で時間の都合が合わせられる環境の方が良いのは言うまでもありません。
社会人として仕事するとなると、どうしても基本的に毎日仕事しなければいけないため、メンバーと予定を合わせることが難しくなりがちです。
メンバー以外にも、ライブハウスの出演やレコーディングなどはそちらの都合も考慮して予定を決めますので、社会人になり時間的縛りが生まれるのを嫌うバンドマンは大勢いることでしょう。
確かに大きなデメリットですよね。しかし、一方でメンバー全員が社会人でありながらもしっかり活動できているバンドがいることも事実です。
実際僕のバンドも全員が社会人でしたが、大きな問題なくバンド活動ができています。
結局のところ、会社次第なんですよね。あとは本人の優先順位。
たとえばメンバー全員が土日祝が休みで有給も取りやすい会社に勤めていたらどうでしょう?
ライブは土日にやれば良いし、練習も土日もしくは平日の夜に可能です。レコーディングだって何週かに分けてパートごと録っていけば問題ありません。
どうしても平日に時間を作らなければいけない場合は、有給や午後休など利用すればなんとかなります。
自分が社会人バンドマンだったからこそ言えますが、時間的縛りでバンド活動に支障が出るというのはある種の思い込みに近いと思います。会社選びを間違えなければ、本人にやる気さえあればさほど大きな問題にはならないでしょう。
社会人とバンド活動の両立は可能
ここまで社会人バンドのメリット・デメリットをお伝えしました。しかし先述したように、デメリットとしてあげられる時間的な縛りに関しては会社によってはいくらでもなんとかなることをご理解いただけたかと思います。
ここからは僕の経験談もふまえて、社会人とバンド活動の両立はみなさんが思っているほど難しくない、むしろ簡単に可能だというお話をします。
まず、僕はちょっと会社選びを間違えてしまいました。入った会社名や業界は伏せさせていただきますが、残業が毎月100時間以上、徹夜仕事は当たり前、休日は不定休というまあまあなブラック企業に入りました。
唯一、仕事内容そのものが面白かったのが救いでしたね。
そんな会社でどうやってバンド活動を続けたかといえば、他のメンバー全員が土日祝が休みだったため、まず他のメンバーとライブのブッカーさん・エンジニアさんなどで大まかに予定候補日を作ってもらい、その中から僕が休みの申請がしやすい日程を予定日として確定していくという形でした。
何日も徹夜したボロボロの姿でライブすることも多かったですが、活動そのものは滞りなく進めることができました。大変だったけれど音楽優先の気持ちが一番強かったからこそできたと思っています。
また、他のバンドメンバーの予定が合いやすかったこと、そして僕の仕事を理解してもらえていたことも大きな要因だったと思います。
全員社会人だったことで金銭的には困ることはなかったため、レコーディングやグッズ製作にも力を入れて取り組むことができ、それを武器に戦うことができたと感じています。
今思えばもっと良い会社に入っとけば、体力的にはもう少し楽になったろうに…(笑)
とまあ、いわゆるブラック企業に勤めていても、しっかり活動はできていたわけですから、社会人バンドなんて余裕です。両立は可能に決まっています。
強いていうならば、休みの取りやすい職場がおすすめです。あとは残業が少なめ。
バンド活動と両立しやすい会社選びに関しては、「バンド活動と両立しやすい会社選び!選び方のポイントを解説」が参考になるかと思います。ぜひ読んでみてください。
会社員でバンドをやるのは副業では?
さて、中には社会人としてバンド活動をすることは副業に当たるのではないかと心配している方もいらっしゃるかもしれません。ここではその疑問にお答えします。
まず、副業とみなされるかどうかについては、会社の就業規則によります。
ライブなどで収益が発生すれば副業なのか、定期的に収入が発生したら副業なのか、それぞれの会社によって考え方が違ってきます。そのため会社の就業規則はしっかりと確認をする必要があります。
一般論としては、収入のともなうバンド活動が副業として認識される可能性は十分にあります。
ただ、副業とみなされる場合においても、たとえば手渡しで収入を受け取っていたり、会場でグッズの売り上げを受け取っている場合は、会社にバレるかどうかの判断だけで言えばバレないでしょう。もし足が付く金銭のやり取りがあった場合でも、確定申告などきちんとやっていればバレることはまずありません。
しかし一番は副業OKの企業に勤めることです。
最近は働き方改革の影響もあり副業解禁した企業はかなり多く、今も次々と解禁されている状況にあります。これから会社員になるのなら副業OKの会社を選ぶことをおすすめします。
少し話が逸れますが、働き方改革の影響で、副業に関してだけでなく残業や勤務時間についての企業の考え方も変わってきています。残業をできるだけ少なくしよう、フレックス制度を取り入れよう、という会社規模での動きが多く見られ、今後もその動きは加速していくと予想されます。働きながらもプライベートの時間を作りやすい環境を持つことは比較的簡単になってきているため、ますますバンド活動との両立がしやすい時代になりそうです。
バンド活動は時間よりもお金をかけるべき!?
以上、社会人バンドの魅力、仕事とバンドの両立は可能であることについてのお話をしてまいりましたがいかがでしたか?
バンド活動には、作詞作曲・練習・ライブ・レコーディング・MV製作・グッズ製作・宣伝などやることがたくさんあります。
それらに使える時間は多くあるに越したことはありませんが、それ以上にネックになるのが出費だと思います。何をするにもかなりの出費が必要ですよね。ことバンドにおいては本当にひとつひとつの活動に対する費用が高いと感じます。
僕が社会人バンドという選択をしたのは時間的な問題よりも金銭的な問題の方が圧倒的に大事だと思ったからです。
お金があるぶんレコーディングして音源を増やせるし、グッズもいろいろなものを展開することが可能になり、それをもとに集客や宣伝に活かすことができるため、効率的な活動ができると考えたんです。
極端な話、時間をとってツアーをやるよりも、お金をかけてネットで宣伝した方がはるかにファン獲得に繋がりやすいです。
結果的に僕のバンドはその考えが的中して、大勢のファンに囲まれ、プロの域まで達することができました。
もしこれを読んでいるあなたが週5で8時間働くアルバイトをしているのなら、社会人になっても時間的にはそれほど変わりません。ぜひ社会人バンドを検討してみてほしいと思います。
僕は正社員をおすすめしますが、どうしても正社員に抵抗があるのなら派遣社員でも良いでしょう。
このブログを読み、アルバイトよりも収入を得られる社会人になって、バンド活動をより有意義なものにしていただけたら嬉しい限りです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。