音楽活動をする上で欠かせないバンド名・アーティスト名。名前は顔のようなもので、楽曲やメンバーの人柄といったイメージに大きく影響します。そのため人気が出る・出ないにも直結する要素のひとつ。今回はそんなネーミングについての考え方をご紹介します。
こんにちは。管理人のちん兄です。
今回はバンドやユニット、ソロ問わず、音楽活動をする上で必要不可欠なアーティスト名について触れていきます。
名前はとても重要です。名前が音楽活動においての顔になるといっても過言ではありません。人気が出るかを左右する場合もあります。
これから名前を決める、今バンド名に悩んでいる。そんな人はぜひここでネーミングのヒントを掴んでいただきたいと思います。
鉄則① 難しく考えすぎない
最もありがちなのが、名前にメッセージ性を持たせたいがために考えすぎてしまっている、というケースです。
お客さんや一般の人の立場に立って考えてみてください。
まずそのメッセージ性に気づくでしょうか?さらに言えばそのメッセージに気付いたとしてどんな反応をするでしょうか?
「へえー」「そうなんだ」それくらいの反応じゃないかと思います。たとえるなら、人の名字や名前に意味があっても、第三者からすればその程度の反応なのと同じです。
「すごい!そんな意味があるなんて!」と感動してくれる人は極めて少数です。
ですので、メッセージ性や意味を深く考えすぎるのは、正直時間のムダかなと思います。その時間を練習に費やした方がよっぽど効率的。
語弊があるといけないので補足しますが、決して名前にメッセージ性が必要無いと言っているわけではありません。むしろ意味はあった方がいいです。でも最初から気付いてはもらえないし、気付いてくれても別に感動はされないし、世間にそのメッセージが浸透するときは既に有名アーティストになってます。
ここで「Mr.Children」という国内トップクラスの有名なバンドの例を挙げます。
彼らはもともと「チルドレン」という言葉の響きを気に入っていることからバンド名にChildrenを入れようと考え、しかし大人でチルドレンってのもなんだかなあ・・・ということで正反対の意味であるMr.を付けたそうです。その後事務所から「プレゼンを上手くならないといけない」と言われ、後から「大人から子供まで幅広く聞いてもらいたい」という意味を付け加えたんです。
彼らはもともと「チルドレン」という言葉の響きを気に入っていることからバンド名にChildrenを入れようと考え、しかし大人でチルドレンってのもなんだかなあ・・・ということで正反対の意味であるMr.を付けたそうです。その後事務所から「プレゼンを上手くならないといけない」と言われ、後から「大人から子供まで幅広く聞いてもらいたい」という意味を付け加えたんです。
そうなんです。別に意味は後付けでもいいんです。
ですので、こだわりすぎずに考えてみてください。絶対この意味を持たせたい!という気持ちがある場合は、連想できるワードから考えいき、ひねりすぎには注意してください。
では、意味を考えすぎずに、どうやって決めていくのか?この後説明していきます。
鉄則② 覚えやすい・検索しやすい・言いやすい・聞き取りやすいの四拍子
今の時代、宣伝にホームページやSNSをはじめとしたネットを使わない手はありませんよね!
ネット上で、いかに効率よく宣伝できるかを追求すると「覚えやすい・検索しやすい・言いやすい・聞き取りやすい」の四拍子が重要になってきます。
詳しくお話ししていきます。
覚えやすい
例えばあなたがSNSで自分のバンドを宣伝するとします。
宣伝する目的はなんでしょうか?きっと、ライブに来て欲しい、自分の音楽を聞いて欲しい、活動を知って欲しい、そういったところですよね。
ですが、あなたのことをまだよく知らない人が、いきなりライブに来てくれることはレアケースです。リンクやサイトに来て音源を聞いてくれる人もやはり少ないです。ではどうしたらいいか?
まずは名前を知ってもらい、存在をしっかり認知させる必要があります。
認知されなければ、わざわざライブに来てはくれません(路上でやるなら話は別ですよ)。逆に言えば、認知されればその後につながりを持てる可能性が生まれます。
ここで覚えやすい名前であればメリットが生じます。
今まであなたのことを知らなかった100人が宣伝を受け取ったとします。あなたのバンド名・アーティスト名をパッと見たときに、90人が一発で覚えられる名前と10人しか覚えられない名前、どちらが今後早くライブ動員を獲得しやすいでしょうか?
考えなくても、90人に覚えてもらえる名前だと分かりますよね。
ここで言う覚えやすい名前というのは、僕が考えるに短く、インパクトがあり、難しいスペルの英単語が入っていない、そんな名前です。
ほんの一例ですが、「ヤバイTシャツ屋さん」「くるり」「いきものがかり」「X JAPAN」とかですね。
検索しやすい
さっきの続きです。100人中90人があなたを認知したとします。しかし、認知されるのは目的のための第一歩。まだこの時点では90人のうち1人あなたのライブに足を運んでくれればいい方でしょう。
となると、次はより自分たちを知ってもらう必要があります。具体的には、音源を聞いてもらったり、ミュージックビデオを見てもらうんです。メンバーのプロフィール、活動履歴なんかも見てもらえたら最高です。
ここで、検索しやすい名前だと、
インターネットで検索をかけて、ホームページに来てもらえる確率が上がる。
YouTube検索でミュージックビデオを見てもらえる確率が上がる。
SNSでフォローしてもらえる確率が上がる。
こんな効果があります。
検索しやすい名前は、覚えやすい名前と被ります。しかし読めるのに書けない漢字があるのと同じで、字面では覚えられたのにいざ入力しようと思ったら一字一句まで書けなかった、なんてことにならないよう工夫が必要です。
ですので、記号は使わない(AA=のように少ない文字数に記号ひとつなどであれば平気です)、日本語と英語以外を使わない、造語もありだが単語の組み合わせにして連想されやすいものにしておくといいでしょう。
一字一句入力が難しい例としては「L’Arc~en~Ciel」「Fear, and Loathing in Las Vegas」などです。どちらも有名バンドですので多少違った入力をしてもきちんと検索に引っかかりますが、無名の場合そうはいきません。
これさえできていれば、先ほどの90人の中にいる音楽好きな人を高確率で誘導でき、音楽性などを気に入ってもらえればライブに来てくれることも充分に現実味を帯びてきます。
言いやすい
続いて、言いやすさについての重要性についてもお話ししていきたいと思います。
最近では音声入力・音声検索というものが普及してきています。CMなんかでよく見る、「オーケーグーグル」とか「アレクサ」とか、そういった類です。
時代が進むにつれ、技術も進歩します。ますますこの音声入力・音声検索が主流になっていく可能性は大いにあり得ます。
そうなってくると、言いやすい、発音しやすいという面が大事になってくることが予想されます。少し前のめりすぎる考え方かもしれませんが、準備できるならするべきでしょう。
音声入力では、長い言葉だときちんと入力できない場合があります。やはり短い名前にしておくのがベターです。また、残念ながら造語を読み取ってくれる可能性は低いと思われます。ものにもよりますが、現時点で造語にする強い意志がなければやめておくのが吉でしょう。
ただし、音声入力について考えたとき限定の話ですので、「そこは考える必要がない」と判断しても大きな問題はありません。
聞き取りやすい
四拍子ラストです。ちょっと想像してみてください。
仮に今ライブハウスやコンサート会場であなたが演奏しているとしましょう。
そこに、他の人の演奏目当てで来た人がたまたま居合わせているとします。しかもすごくあなたの音楽に興味を持っている様子。
そしてあなたはステージ上で自分のバンド名・アーティスト名を名乗ります。
その人はバンド名を聞き取れたでしょうか?
・・・
これって、非常に大事だと思うんです。
ここまでの三拍子では、名前を知ってもらう(認知される)→検索される→音源や動画を見て興味を持ってもらう→ライブに来てもらうと言う流れだったのに対し、
ここでは全部のステップをすっ飛ばして、もうライブを見てくれているんです。
本来であればたくさんのハードルを乗り越えてたどり着く場所に、すでに来てくれているんですね。言ってしまえばあなたにとっては新規ファン獲得の最高のチャンスなんです。
ここで聞き取りづらい名前だと損しかありません。「なんて言った?」で終わってしまうのは勿体なさすぎるんです。
その人との関係性を築くには、ライブを見ていいなと思ってもらえた→名前を覚えてもらう→SNSをフォローしてもらったり、ホームページを見てもらう→次のライブをチェック→またライブに来てもらう。この流れが必要なんです。
ですから、名前の聞き取りやすさはこういったシチュエーションで本当に大事です。ぜひ考慮してください。
鉄則③ ジャンルやイメージに合わせよう
これは言わずとも、皆さん心がけているとは思いますので簡単に。
例えばゴリゴリのメタルバンドなのに「ふわふわパパイヤ」とか、ポップなのに「DEATH GIANT MONSTER」とか、そんなバンド名どう思いますか?
違和感しかありませんよね。全くイメージと合ってない。
今の例は極論ですが(逆に振り切れ過ぎてて面白い気もしてきた)、最低限ジャンルに合ったワードを選ぶようにしましょう。
また、ひらがな、カタカナ、漢字、英語、どれも印象が変わります。文字をどうするかというのも、ひとつのポイントですね。
鉄則④ 商標登録・被った名前は避ける
最後に、バンド名・アーティスト名を決める上での落とし穴に気をつけてください。
一回検索などかけて、商標ワードを使用していないか、同じ名前や酷似した名前で有名なバンドがいないか、確認をしましょう。
こんな事例があります。
[Alexandros]という有名バンドは、過去[Champagne]というバンド名で活動していたのですが、Champagne(シャンペン)の商標権利をもつシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会の日本支局からバンド名を変更するよう要請され、現在の名前となりました。
かなり知名度がある状況での改名でしたので、業界がざわつきました。
こういったことが起こるリスクはできるだけ減らしておきましょう。
最後に
以上、バンド名・アーティスト名の決め方でした。冒頭でも書きましたが、あくまでも「売れることを考えた場合の決め方」を僕なりに述べたものですので、実践する・しないはご自身の音楽との向き合い方と相談してください。
グダグダ書きましたが、納得がいき愛着の湧く名前であることが一番大事です。最高の名前をつけてくださいね!
ネーミングを軸にお話ししましたが、売れるための考え方としても活用できるヒントもあるかと思います。ぜひ取り入れてください。
おまけ
ここ数年の国内で売れているバンド・アーティストを見ていくと、基本的にここで挙げた鉄則に則っている方達が多いように思えます。そして日本語率高めなのは気のせい?
「あいみょん」「サカナクション」「きゃりーぱみゅぱみゅ」「忘れらんねぇよ」「ヤバイTシャツ屋さん」「WANIMA」「official髭男dism」「岡崎体育」「水曜日のカンパネラ」「ポルカドットスティングレイ」「My Hair is Bad」etc…