こんにちは。ちん兄です。
ライブハウスに出演するバンドのみなさんにお聞きします。
あなたはライブハウスの言いなりになっていませんか?
『いきなりどうした?』と思われるかもしれません。『言いなりだなんて、人聞き悪いな!』と怒りすら覚える方もいらっしゃるかと思います。
ただ、あなた自身にこんな経験がないか、胸に手を当てて思い返してみてください。
・ライブ後、スタッフの方から演奏面やパフォーマンスについてアドバイスを受けた。もしくは説教された。
・次のライブの日程を決めようとしてくる。
・ライブハウスの事務所あるいはレーベルに勧誘された。
いかがでしょうか。思いあたる節がありませんか?
思い当たらない方にはこの記事の内容は不要ですが、ほぼ全バンドがこういった経験をしたことがあるのではないでしょうか。
実は、このような一見ありがたいことに思える話には、ワナがあります。メリットもありますが、場合によります。
ですので、あまり真に受けてライブハウスの言いなりになっては危険だと、僕は考えています。
今回は、ライブハウスの言いなりになってはいけないと考える理由と、危険な3つのワナについてお話ししていきます。
ありがたいアドバイスのワナ
まずは下の画像をご覧ください。以前僕がTwitterに投稿した内容です。
【ライブハウスの罠】
ライブハウスの人は、よく演奏力やパフォーマンスについて助言や説教をしてくれます。ありがたいことですが、それに感化されて『演奏力やライブ力を上げる』ことに全力になる人が多い。あと『このハコはいいハコだ』と錯覚して出演しまくったり。
— ちん兄/ゼロから始めるバンド・ギター生活(管理人) (@tinny_guitar) November 12, 2019
ここで思ったのは、ライブハウスのスタッフって、演奏うんぬんの話はしてても、ファンの増やし方とかマーケティングのことは全然言わない。
で、多くのバンドマンは、それっぽい助言や説教を受けて、『もっと演奏力つけて成り上がるぞ』『めちゃ良いライブハウスだな』とか錯覚しちゃうんです。— ちん兄/ゼロから始めるバンド・ギター生活(管理人) (@tinny_guitar) November 12, 2019
ちなみにそのバンド、打ち上げで『この調子でライブを良くしていけば売れる!』とか言ってて、『正気か?』と思わずツッコミそうになりましたが、サポートの身なのでやめました。
これ読んだ人は、このライブハウスの罠にかからず、集客面にもきちんとフォーカスした活動をしてもらえると、幸いです。
— ちん兄/ゼロから始めるバンド・ギター生活(管理人) (@tinny_guitar) November 12, 2019
少し強く言い過ぎているのは認めます。しかし、この投稿は僕の本音です。
多くのバンドは、基本的にライブをする際にはライブハウスを利用しています。おそらくこれを読むあなたもそうではないでしょうか。
ライブが終わったあと、精算時や打ち上げ時にスタッフの方からいろいろなアドバイスやお説教をされた経験はありませんか?僕は何度もありました。
そのありがたいお話の内容を思い出してみてください。音作りやセットリスト、パフォーマンス、機材などの話ばかりではありませんでしたか?
そしてそれをいつも『なるほど。そうなんだ。』と聞いているのが多くのバンドです。
実はこの段階で既にワナにかかっています。
いつのまにかライブが全てになる
演奏面やライブに関する話は大事です。しかし、ライブハウススタッフの話を何度も聞いていると、それが正義、それが全てのような気持ちになってしまうんです。
『演奏が良くなれば売れる』
『機材がパワーアップすればいいバンドになれる』
『ライブが良くなればファンは増える』
こういった思考になってしまったバンドマンを何人も見てきました。かく言う自分もそうだった時期があります。
しかし残念ながら、いくら演奏が良くてもファンはそれほどついてきません。
なぜなら、売れるために最も大事なのは集客だからです。これは断言できます。もちろん演奏力なども大事ですが、それ以上に集客が大事です。
そして、『ありがたい話をしてくれるからこのライブハウスは良いハコだ!』と思い始めてしまったら、もうワナに食い殺される寸前です。
もしあなたが『面倒を見てくれるライブハウスのためにも、良いライブをしよう』、『このライブハウスで良いライブをし続ければ、いつか売れる日が来る』と考えていたら、危険信号です。
その心意気は素晴らしいですが、一度まっさらな思考で、バンドが売れるために何が必要かを考えてみてください。
少なくとも僕は、ファンを増やすことに焦点を当て、集客に力を入れるべきだと思っています。
集客に関しては、[徹底解説]バンドのライブ集客・ファンを増やす効率的な方法!が参考になるかと思います。ぜひご一読ください!
ライブハウスが演奏やパフォーマンスのことばかりをアドバイスする理由
一般的にライブハウスのスタッフさんは、あまり集客のノウハウは教えてくれません。中には集客について教えてくれる方もいますが、そのライブハウスは当たりです。
一体なぜ、集客のことはあまりアドバイスしてくれないのか?理由は簡単です。
ライブハウスのスタッフさんは元バンドマンや現役バンドマンが多いのですが、Twitterにも書いたとおり、売れた人もしくは売れている人だったらライブハウスで働いてなんかいません。
悪い言い方をすると、売れないバンドマンの代表なんです。
そして売れないバンドマンがあなたにできるアドバイスは、演奏やパフォーマンスについてのみ。集客については、それほど多くは語れないわけです。
売れないバンドマンが演奏のことをいろいろ言って、それを真に受けとめたバンドが集客をおろそかにする。売れないバンドマンのスパイラルが出来上がります。
僕は一度、忘れもしない、お客さん0人のライブをしたときに目が覚め、そこから本気で集客をしたおかげでプロと名乗れるまでになりました。
あなたも、一刻も早くこのワナから抜け出して、売れるバンドを目指していただけたら幸いです。
僕自身の詳しい身の上話に興味のある方は、プロフィールからご覧ください。暇つぶしになる自信はあります(笑)
次のライブ日程を決めようとしてくるワナ
大概のライブハウスは、一度出演すると次、そのまた次とイベントの誘いをしてきます。
『ブッキングの人がいい人だし、音も悪くないから、断る理由はないかな』なんて思って、なんとなくそのライブハウスにずっと出てしまうバンドが多いです。
他より名前がちょっと有名だから、という理由で出続ける人も多いですね。
しかし、この誘いにはワナがあります。
気づけばライブハウスのお客さん化している。リピーターになっている。
次のライブに誘ってくるという行動は、バンドとしてありがたいと思えるかもしれません。自分たちで行動せずとも次のライブを決めてくれるのですから。
僕は以前、ちょっとだけ名の知れた渋谷の某ライブハウスに良く出ていたのですが、そこも毎回次のライブの候補日を提示してくれて、しばらくそこで出ていました。
最初、僕やバンドメンバーは『有名なライブハウスが次を誘ってくれるなんて、もしかして気に入ってもらえたのかな?』なんて浮かれていたのを覚えています。
でも実際は違いました。これまた良くない表現ですが、対バンがあまりにもひどかったんです。僕らも含めてですが、ヘタ、客呼ばない、意識低い。毎回ジャンルも年齢層もバラバラ。
お世辞にも、気に入ってもらえたような扱いとは言えませんでした。
でもそこに出演し続けたんですよね。毎回ノルマを支払って、ジャンルがバラバラでお客さんも全然いないイベントを何度もこなして。
やってることは腕を組む対バン相手への発表会、ライブハウスへのお金の支払い。それだけ。こんなに意味のないことはあるでしょうか?今思えばすぐ気づけそうなものを、当時は盲目になっていたんです。
まんまとライブハウスにお金を落とすだけのリピーターになっていたんです。カモと言っても過言ではありません。
そういった適当なイベントに出続けるより、ジャンルの近しい人たちや集客力の高い人たちと対バンした方が絶対にファンは掴みやすいです。そういった配慮のあるライブハウスを選びましょう。
せっかくライブをするのなら、きちんとライブイベントを見極めて、そのライブハウスがあなた方にどんな扱いをしているか考えてみてください。
ライブハウスが次のイベントを誘ってくる理由
もうお気づきだとは思いますが、ライブハウスが毎回のように次のイベントを誘ってくる理由はいたって単純。
ライブハウスにとってバンドはお客さん。お客さんにリピートしてもらって、安定した収入を得るために毎回声をかけてくるんです。
つまりライブハウスが少しでも利益を出すために、毎回いい人感を出して誘ってくれていただけ。
誘ったバンドがノルマ以上にお客さんを呼べばさらに売り上げが上がるので、でかいバンドになるまで面倒みるよっていう体のいい雰囲気を出してるんです。
冷静に考えたらすぐ気づけることなんでしょうが、僕も当時は盲目だったんです。おそらく同じように盲目になっている方は多いでしょう。
中には本当にバンドを応援してくれるライブハウスもあります。そういうところを見つけましょう。あからさまに対バンが適当だったりするハコは要注意ですよ。
ライブハウスの選び方については、ライブハウスの選び方!バンドにとって良いライブハウスとは?を参考にしてください。
ライブハウスが事務所やレーベルに誘ってくるワナ
長いこと出演し続けていると、そのライブハウスから事務所やレーベルに入らないか?という提案をされることもあります。
いわゆるインディーズレーベルというやつですね。
これをチャンスと捉えるかどうかはあなた次第ですが、僕個人の意見としてはおすすめしません。
ライブハウスにも情が湧いてきたところに嬉しい誘いがきて、心踊って勢いで契約したものの、食い物にされ潰れたバンドをたくさん見てきました。
なのであなたには、レーベルによりけりですが、大きなワナである可能性を考えていただきたいのです。
レーベルに所属するデメリットが目立つ時代になった
インディーズレーベルと契約すると、メリットがあるにはあります。ただ、本当にそこまでのメリットなのかをよく考える必要があります。
たとえば、音楽のことだけに専念できる。よく言われますよね。これはつまり、流通や宣伝をレーベルに丸投げできるので専念できるということ。
でもそれは果たしてどの程度の宣伝でしょうか?メジャーレーベルのような大規模な広告はしてくれませんし、今までの自分たちのやり方ではなくレーベルのやり方に縛られることになります。
さらに、自分で集客しないため、その能力は全くつきません。大手レコード会社が合併や倒産しているこの時代に、自分でマーケティングしていく力がないのは致命的とさえ言えます。
バンドとしての売り上げも、大部分がレーベルに持って行かれます。契約次第では原盤権もレーベルが持つことになるため、頑張って作った楽曲も金銭的にはレコード会社ばかりが得をする仕組みになります。
結果的に金銭事情が厳しくなり、レーベルに所属しながらもバイトをして、それでも音楽に専念していると言えるでしょうか?
そしていつしか捨てられて、ドン底を迎える人が本当に多いんです。悲しすぎる。
ライブハウスのレーベルに心を揺さぶられるな
ここまでまとめると、あなたの資産や活動のやり方、バンドのほとんどをレーベルに預けるにはデメリットが目立つというのが僕の考えです。
レーベルに所属するよりも、自分でマーケティングしながら力をつけて、売り上げもきちんと反映される活動の方が良くないですか?
レーベルから全国流通でCDを売っても、そのCDが買われるほどの広告と宣伝がされなきゃ意味ないですよね?下手したらツアーで未開の地に行って直接会場でCD売った方が儲かる可能性すらあります。
しっかり考えた上で契約するぶんには何も言いませんが、嬉しさのあまり勢いで契約することだけはやめましょう。
もちろん、レーベルにもピンからキリまでありますし、レーベルに所属してこその見える景色というものもあるでしょう。しかし、リスクはあります。
悪徳レーベルの食い物には絶対にならないでほしいと、心から思います。
レーベル所属のメリットデメリットについて、今後記事を作成予定です。今しばらくお待ちください。
まとめ
今回は『ライブハウスの言いなりになってはいけない、3つのワナとその理由』についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
ワナという表現自体、少し言いすぎているような気もします。当然ライブハウス側は間違ったことをしているわけではありませんし、いいライブハウスというのも一定数存在するからです。
今回のお話で大事なのは、あなた自身の活動やライブハウスの誘いを冷静に見極められるか、ということです。全てを鵜呑みにしたり都合よく捉えてはいけません。バンドマンは盲目になりがちなので気をつけましょう。
これを読んだあなたが、ライブハウスのワナにかからず、よりよいバンド活動ができることを心から願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!